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背中の痛み

背中の痛みとは

背中の痛みは様々な原因によって生じますので、緊急の処置や治療が必要な内科的疾患ではないかを確かめた上で整形外科疾患の有無を調べます。整形外科的疾患による背中の痛みがある場合、背骨周辺の筋肉やヘルニアなどが疑われ、進行すると歩行が困難になるなど深刻な状態になる可能性があります。高齢になると骨がもろくなって骨折しやすくなる骨粗鬆症が進行し、体重の負荷だけで背骨の圧迫骨折を起こし、それが連鎖して寝たきりになってしまうこともあります。背中の痛みがある場合には、できるだけ早く受診して適切な治療につなげましょう。

背中に起こる主な症状

  • 背中のしびれを繰り返し起こす
  • 背中がこわばる・張りがある
  • 背中が強く痛む
  • 起き上がる際に背中に激しい痛みが生じる
  • 突然、背中に痛みが生じた
  • 首の後ろから背中までの広い範囲が痛む
  • 背中だけでなく胸にも痛みがある
  • 背中の痛みに加え、手にもしびれや痛みがある
  • 背中に曲がりやねじれがある
  • 腰の位置が左右対称ではない など

背中の痛みは、背骨、背骨周囲の軟部組織や神経に問題があって生じている可能性があり、放置していると悪化して日常生活に支障を生じる場合があります。異常を感じたら整形外科を速やかに受診して、状態を確かめることが重要です。

背中の痛みを起こす主な疾患

脊椎圧迫骨折

圧迫骨折は骨が押しつぶされている状態で、骨がもろくなる骨粗鬆症が進行すると身体の重みだけで脊椎(背骨)の圧迫骨折を起こすことがあります。脊椎1つが圧迫骨折を起こすとその骨が担っていた負担が他の骨にかかり、連鎖的に圧迫骨折が起こって身体を支えられなくなり、寝たきりになってしまうリスクがあります。

主な症状

背中や腰の激しい痛みがあり、動作によって強い痛みを起こすこともあります。ただし、高齢者や糖尿病で痛みを感じにくくなっている場合、痛みをほとんど感じないケースもあり、注意が必要です。

頚椎椎間板ヘルニア

脊椎は縦に積み重なっており、その間にはクッションの役割を果たす椎間板があります。頚椎椎間板ヘルニアは、首の部分の頚椎の椎間板が突出している状態です。突出によって神経が圧迫されると痛みをはじめとした様々な症状を起こします。加齢によって生じることが多い疾患ですが、事故やスポーツでの激しいコンタクトなどが原因で若い方に生じることもあります。

主な症状

首の後ろから背中にかけて、痛みやしびれを起こします。胸の痛み、手足のしびれや痛み、こわばり、動かしにくさなどの症状が伴うこともあります。

側弯症

正面から見た時に、背骨が左右に曲がっている、あるいはねじれているように見える状態です。原因はまだ分かっておらず、ほとんどの発症は乳幼児から思春期までに起こり、身体が急激に成長して変化の大きい思春期に悪化しやすい傾向があります。なお、加齢が原因で脊椎が変形する変性側弯も存在します。

主な症状

幼少期から思春期前には無症状のケースが多く、学校健診などで指摘されてはじめて分かることもあります。また、肩の高さが左右で異なる、肩甲骨が出っ張っている、腰がゆがんでいるなどの見た目で気付く場合もあります。進行すると背中の不快感、腰痛、肺活量減少、しびれや痛みなどの神経症状が現れます。成長や健康に支障を及ぼす可能性がありますので、疑わしい場合は早めにご相談ください。

後縦靱帯骨化症・
黄色靱帯骨化症

脊椎周辺で筋肉と骨をつないでいる靱帯が骨化し、脊柱管を通る神経を圧迫して痛みなどの症状を起こしています。後縦靱帯骨化症・黄色靱帯骨化症は、骨化する靱帯が異なります。椎体の後ろにある後縦靱帯の骨化によって後縦靱帯骨化症を、脊柱管後ろにある黄色靱帯の骨化によって黄色靱帯骨化症を発症します。明確な原因は明らかになっていませんが、発症には遺伝の関与が指摘されており、日本人に多い疾患です。

主な症状

背中の痛み・こわばり・張り、下半身のしびれを起こします。強いしびれが生じると歩行が難しくなってしまうこともあります。

背中に異常を感じた場合には、
お気軽にご相談ください

背中の慢性的な痛みは、圧迫骨折やヘルニアなど、進行させてしまうと日常生活に大きな支障を及ぼす障害につながることもあります。骨粗鬆症がある高齢の方では、寝たきりになるリスクも高めてしまいます。背中に痛みや違和感がある場合にはできるだけ早く整形外科を受診し、骨や筋肉、靱帯、腱、椎間板などに問題がないかを確認し、早期の治療につながることが重要です。当院では、専門医による診察や治療、理学療法士によるリハビリテーションをしっかり行っていますので、些細なことでも安心してご相談ください。

リハビリテーション

よくある質問

背中が痛いのは何が原因ですか?

背中の痛みの原因と対処法:
症状から見分ける重要なポイント

背中の痛みには、骨や筋肉、神経、内臓など多岐にわたる原因が考えられます。その原因を正確に把握することで、適切な対処が可能になります。

骨や筋肉による背中の痛み
骨の異常
  • 骨粗しょう症による圧迫骨折
  • 椎間板炎や化膿性脊椎炎などの疾患
  • 脊髄腫瘍
筋肉の損傷
  • 重いものを持ち上げる作業による負荷
  • 急な運動による筋肉の損傷
  • 疲労による筋肉痛
神経による背中の痛み
  • 天気や湿度の変化による神経痛
  • 肋間神経痛(肋骨間の神経が刺激されることで起こる鋭い痛みが特徴)
内臓疾患による背中の痛み
消化器系の疾患
  • 胃潰瘍や十二指腸潰瘍
  • 胆のう炎や胆石症
  • 急性膵炎・慢性膵炎・膵臓がん
泌尿器系の疾患
  • 腎結石や腎炎
その他の原因
  • ストレスや悪い姿勢による慢性的な痛み
  • 心臓や血管の疾患(狭心症や大動脈解離による痛みは命に関わるケースがあり、早急な診察が必要)
背中の痛みへの対処法と受診の目安

背中の痛みは、多くの場合、安静にすることで数週間以内に自然に改善します。しかし、以下の場合は早めの受診が必要です。

  • 激しい痛みが長期間続く
  • 背が縮む、曲がるなど明らかな異常がある
  • 他の症状(吐き気、発熱、しびれなど)が併発する

早期診断が健康を守るカギ

背中の痛みは、放置すると深刻な疾患につながることがあります。痛みが続く場合や異常を感じた際は、迷わず医療機関を受診しましょう。定期的な健康チェックも、未然に問題を防ぐための効果的な手段です。

背中の痛みが内臓疾患かどうかの
見分け方は?

背中の痛みが内臓疾患によるものかを見分けるポイント

背中の痛みが内臓疾患に関連している場合、その特徴や他の症状から見分けることが可能です。

痛みの性質での見分け方
内臓疾患による痛み

鈍い圧迫感や広がるような痛みが多いのが特徴です。急激ではなく、持続的に感じられることが多いです。

筋肉や骨格の痛み

動きに連動して痛みが増すことが多く、急激で鋭い痛みや刺すような痛みとして感じられます。

痛みの位置での見分け方
内臓疾患による痛みの広がり

内臓からの痛みは特定の部位に限定されず、広範囲にわたる場合があります。
例えば、肝臓の不調で右肩から右背中にかけて鈍い痛みや違和感を感じることがあります。

その他の症状が伴う場合

内臓疾患の場合、背中の痛みに加えて次のような症状が現れることがあります。

消化器系の症状

吐き気、嘔吐、発熱、消化不良など

全身の異変

動悸、食欲不振、体重減少などが継続的に現れる場合

背中の痛みと内臓疾患の注意点

これらの症状が複合的に現れる場合、内臓疾患の可能性が高いため、早急に医療機関を受診することが必要です。特に、持続的な痛みや生活に支障をきたす症状がある場合は、専門医による診察を受けてください。

早めの受診が重要

背中の痛みは見過ごされがちですが、内臓疾患が原因の場合、放置すると重大な健康問題に発展する可能性があります。異常を感じたら、自己判断せずに医師の診断を受けることが健康を守るための第一歩です。

心筋梗塞の背中の痛みはどこに
出ますか?

心筋梗塞による背中の痛みの
特徴と注意点

心筋梗塞による背中の痛みは、主に背中の左肩付近や肩甲骨の間に感じられ、場合によっては左肩や腕に広がることもあります。
心筋梗塞は、心臓の血管である冠動脈が詰まり、心臓の筋肉に酸素や栄養が供給されなくなる命に関わる疾患です。

心筋梗塞による背中の痛みの主な特徴

以下の症状が見られた場合、心筋梗塞の可能性が高いため、すぐに医療機関を受診することが重要です。

  1. 肩甲骨の間に鈍い痛みや圧迫感を感じる
  2. 左肩甲骨から腕にかけて広がる痛みやしびれが現れる
  3. 冷や汗や吐き気を伴う場合がある
  4. 痛みが非常に強く、長時間持続する
心筋梗塞の早期対応の重要性

心筋梗塞は、発症からの時間が治療の成否に直結するため、早期発見と迅速な治療が不可欠です。
背中や左肩に痛みがある場合、それが単なる肩こりや筋肉痛ではない可能性を考慮し、注意深く観察することが求められます。

症状を感じたら早めの受診を

心筋梗塞の症状は突然発症し、進行が速いのが特徴です。
特に激しい痛みや冷や汗を伴う場合は危険なサインであり、放置せずに救急医療機関を受診するようにしてください。
早期対応が命を守る鍵となります。心筋梗塞が疑われる場合、迷わず医師の診断を受けることが健康を守る第一歩です。

膵臓癌による背中の痛みはどこに
感じますか?

膵臓の病気による背中の痛みは、腰の上部から背骨の中央部、さらには左の肋骨の下や肩甲骨付近、左背中の肋骨の下あたりに感じられることが多いです。
これらの痛みは、以下のような特徴があります。

膵臓の病気による背中の痛みの
特徴

  1. 鈍い痛みや焼けつくような痛みとして感じられる
  2. 夜間や横になると痛みが強まる傾向がある
  3. 食事後や体を前に曲げる動作時に痛みが増強する
  4. 持続的な痛みであり、一時的なものではない

このような痛みを引き起こす主な疾患には、膵臓がん、急性膵炎、慢性膵炎があります。

膵臓がんによる背中の痛みの特徴

膵臓がんは悪性度が高く進行も早い病気です。周囲の神経や血管に浸潤することで背中に痛みが現れることが多く、以下のような症状が見られます。

  1. 夜間に痛みがひどくなり、眠れないほどの痛みを感じる
  2. 朝、背中の痛みで目が覚めることがある

これらの症状がある場合、膵臓がんの早期発見・治療のために、できるだけ早く医療機関を受診することが重要です。

膵臓の病気の痛みに対する
注意喚起

背中の痛みが持続したり、日常生活に影響を及ぼす場合、放置せずに専門医の診察を受けましょう。早期診断は治療の選択肢を広げるためにも非常に重要です。